城さん

ファイル取り込み時にカラースペースを指定できるインプットルールと、NCLCタグ編集ツールについて解説します。

OpenEXR Chromaticity(色度)メタデータ

LogC4 / ARRI Wide Gamut 4フッテージを、WritefileノードからOpenEXRで書き出し。

LogC4 / ARRI Wide Gamut 4フッテージを、Colour ManagementノードからSLog3 / S-Gamut3.CineにトランスフォームしてOpenEXRで書き出し。

LogC4 / ARRI Wide Gamut 4フッテージを、Colour ManagementノードからLog3G10 / RED Wide Gamut RGBにトランスフォームしてOpenEXRで書き出し。

LogC4 / ARRI Wide Gamut 4フッテージを、Colour ManagementノードからACEScgにトランスフォームしてOpenEXRで書き出し。

LogC4 / ARRI Wide Gamut 4フッテージを、Colour ManagementノードからACEScctにトランスフォームしてOpenEXRで書き出し。

Tagged Colour Space > From File or Rulesから、書き出した全てのOpenEXRフッテージにカラースペースがタグ付けされています。

Clip Information > Input Colour Space > LogC4 / ARRI Wide Gamut 4

Metadata > autodesk Color Space > LogC4 / ARRI Wide Gamut 4

Flameファミリー2023以降、シーン参照色空間などがタグ付けされているメディアをエクスポートすると、Chromaticity(色度)メタデータがOpenEXRファイルに追加されるようになりました。

Clip Information > Input Colour Space > SLog3 / S Gamut3.Cine

Metadata > autodesk Colour Space > SLog3 / S Gamut3.Cine

Clip Information > Input Colour Space > Log3G10 / RED Wide GamutRGB

Metadata > autodesk Colour Space > Log3G10 / RED Wide GamutRGB

Clip Information > Input Colour Space > ACEScg

Metadata > autodesk Colour Space > ACEScg

Clip Information > Input Colour Space > ACEScct

Metadata > autodesk Colour Space > ACEScct

DaVinci Resolveから書き出したOpenEXR

プロジェクト設定はデフォルトのまま、Video Monitor Lookup Tableを、ARRIからダウンロードしたLogC4 to Rec.709ルックアップテーブルを追加。

・Format > OpenEXR

・Color Space Tag > ARRI Wide Gamut 4

・Gamma Tag > LogC4

DaVinci Resolveから書き出したOpenEXRにはautodesk Color Spaceのメタデータが追加されていないので、タグはすべてUnknownになります。

イメージシーケンスの拡張子からルールを追加

Preferences > Project > Colour Management > Input Rules > Create Ruleボタンからルールを追加。

ルール名とExtension (Type)から拡張子を入力。

*[e}[xX][rR]*

鉤括弧を使うことで、大文字と小文字に対応することができます。

・Input Colour Space > Camera / ARRI / LogC4 / ARRI Wide Gamut 4

拡張子.exrのOpenEXRフッテージに対して、指定したカラースペース(LogC4 / ARRI Wide Gamut 4)がタグ付けされます。

ムービークリップのインプットルール

LogC4 / ARRI Wide Gamut 4をタグ付けしてレンダリング。

ExportウィンドウからQuickTimeムービーを選択、Show Advanced Optionsをアクティブに。

Use LUTボタンからTag Onlyを選択。QuickTimeムービーにカラースペース情報を正確に追加したいので、Editボタンからタグを確認します。

From SourceのままでもQuickTimeムービーには正確にカラースペース情報が追加されますが、LogC4 / ARRI Wide Gamut 4を選択して書き出し。

QuickTime以外のムービークリップにも正確にカラースペース情報を追加するために再度ダグ付けをしましょう。

Tagged Colour Space > From File or Rulesから、QuickTimeムービーにLogC4 / ARRI Wide Gamut 4がタグ付けされます。

プレビューウィンドウにあるMetadata > Video Colour EncodingからNCLCタグを確認することができます。

Colour Primaries

ホワイトポイント(白色点)とRGBプライマリをCIE1931xy色度座標に空間化するテーブルへのインデックス

引用元 : FilmLight TUTORIALS QuickTime Colour Management

Transfer Function

RGB色空間値とYCbCr値の間の変換に使用される非線形伝達関数係数を空間化するテーブルへのインデックス

引用元 : FilmLight TUTORIALS QuickTime Colour Management

Colour Matrix

RGB色空間値とYCbCrの間の変換に使用される変換行列係数を指定するテーブルへのインデックス

引用元 : FilmLight TUTORIALS QuickTime Colour Management

DaVinci Resolveから書き出したQuickTime

・Format > QuickTime

・Color Space Tag > ARRI Wide Gamut 4

・Gamma Tag > ARRI LogC4

Input Colour Space > Unknown

Flameから書き出したQuickTimeムービーには、com.arri.camera.ColorGammaSxSからLogC4であることが確認できると思われますが、DaVinci Resolveから書き出したQuickTimeムービーのメタデータにLogC4の情報がないことから、FlameではUnknownになってしまいます。

フォルダ名からのインプットルール

Create Ruleボタンからルールを追加してルール名を設定。

Patternにフォルダ名(今回はQuickTime)を設定。

Input Colour Space > Camera > ARRI / LogC4 / ARRI Wide Gamut 4を選択。

Media Hubがリフレッシュされて、QuickTimeフォルダにあるすべてのQuickTimeムービーにLogC4 / ARRI Wide Gamut 4がタグ付けされました。DaVinci Resolveから書き出したQuickTimeムービーのNCLCタグは2-2-2でした。

NCLCタグの編集

DaVinci ResolveからQuickTimeムービーを書き出時に、Color Space Tag / Gamma TagをSame as Projectで書き出した場合どうなるのか確認してみましょう。

Flameから確認すると、Input Colour SpaceがUnknownではなくRec.709 videoになっています。

NCLCタグが1-1-1の場合はRec.709 videoになります。

Flame / DaVinci ResolveどちらもLogC4 / ARRI Wide Gamut 4から書き出したQuickTimeムービーのColour Primaries / Transfer Functionは、2(Unspecified / 未指定)でした。1の場合、ITU-R BT.709になるので、インプットルールがバイパスされます。

NCLCタグを編集できるMetacolor.Editorをダウンロード。

ファイルまたはフォルダを選択。

編集するファイルをすべて選択。Modifcationsから、Unspecified (2)を選んでください。

変更する必要があるかわかりませんが、Create IDにArnold & Richer Cine Technik (arri)があるので選択しました。

右下のPROCESSボタンからNCLCタグの編集を実行。

Media Hubがリフレッシュされ、インプットルールのパターンから指定しているLogC4 / ARRI Wide Gamut 4がタグ付けされました。

NCLCタグがMetacolor.Editorと同じ2-2-2。

拡張子とフォルダ指定からカラースペースをタグ付けしてくれるので非常に便利だと思います。

QuickTimeムービーだけ気をつけましょう。