城さん

先日、sRGBについて問い合わせがありました。ガンマ2.2だと思っていましたが、いろいろ調べてみると…。

Flameから確認してみましょう。

シーン参照色空間から確認

Colour Sourceノードからグラデーションを選択。

カラーポリシーはLegacy、FlameアウトプットはRec.709 video。

Tagged Colour Space > Rec.709 videoのグラデーションを輝度信号から確認すると、見た目は線形。

Tagged Colour Space > sRGB Displayのグラデーションの輝度信号も見た目は線形。

カラーポリシーがLegacyの場合、Rec.709とsRGBを識別することはできません。

Colour Sourceノード(Rec.709 video)にColour Managementノードを追加。Colour Transform > Customから、gamma / remove_2.40_gamma.ctfを選択。

ビューポートはシーン参照色空間なのでLinear*で表示。輝度信号を確認すると、線形ではなく非線形に。

ガンマ2.4をリムーブしているので、ビューポートからLinear (2.4 gamma)*を選択することで線形に。

Colour Sourceノード(sRGB Display)にColour Managementノードを追加。Colour Transform > Customから、gamma / remove_sRGB_encoding.ctfを選択。

ビューポートは先ほど切り替えたLinear (2.4 gamma)*で表示。輝度信号を確認すると、線形ではなく非線形に。

sRGB encodingからガンマをリムーブしているので、ビューポートからLinear (sRGB gamma)*を選択することで線形に。

sRGBガンマカーブは、gamma2.2で近似される事が多いですが、厳密には低輝度で直線(linear)、高輝度で gamma2.4の曲線といった少し変則的な式を持ちます。

引用元 : ガンマ補正のうんちく

シーン参照色空間(Linear (2.4 gamma))をディスプレイ参照色空間にトーンマッピングするので、Colour Managementノードから、Colour Transform > Custom > apply_2.40_gamma.ctfを選択。

ビューポートはVideo*になり、輝度信号も見た目線形になります。

シーン参照色空間(Linear (sRGB gamma))をディスプレイ参照色空間にトーンマッピングするので、Colour Managementノードから、Colour Transform > Custom > apply_sRGB_encoding.ctfを選択。

ビューポートはVideo*になり、輝度信号も見た目線形になります。

FlameアウトプットをRec.709 videoからsRGB Displayに切り替えても輝度信号に変化はありません。

Flameから正確にsRGBを運用するには、apply・remove_2.2_gammaではなく、apply・remove_sRGB_encoding、シーン参照色空間では、Linear (sRGB gamma)*が必須のようです。

remove_2.2_gamma.ctfからシーン参照色空間にした場合

remove_sRGB_encodingから、gamma / remove_2.2_gamma.ctfに切り替え。

ビューポートがLinear (sRGB gamma)*の場合、線形ではなく非線形になります。

この場合、ビューイングルールを新規に追加する必要があります。

・Rule Name > 例えば、Linear (2.2 gamma)

・View Transform > Legacy / Linear (2.2 gamma)

・Allowed Colour Space > Any Scene-linear

・Allowed Display > Any SDR

ビューポートから追加したルールLinear (2.2 gamma)を選択すると、輝度信号が線形に。

カラーポリシーの変更

LegacyカラーポリシーからSimple Linear Workflowカラーポリシーに変更。FlameアウトプットはRec.709 video。

ディスプレイ参照色空間にトーンマッピングしているColour Managementノード(Rec.709 video)を選択。輝度信号は見た目線形。

ディスプレイ参照色空間にトーンマッピングしているColour Managementノード(sRGB Display)を選択。輝度信号は線形ではなく非線形。

FlameアウトプットをsRGB Displayにすると、Colour Managementノード(sRGB Display)が見た目線形に。

Colour Managementノード(Rec.709 video)が線形ではなく非線形に。

Rec.709 video / sRGB Displayを正確にビューポートに表示するには、カラーポリシーをSimple Linear Workflowに変更する必要があります。

NCLCタグ

Renderノードからそれぞれレンダリング。

QuickTimeにエクスポートします。Show Advanced Options > Use LUTをアクティブにして、FormatからTag Onlyを選択。

EditボタンからTagged Colour Space > Rec.709 videoを選択。

ムービーファイルに正確なカラースペースのメタデータを付加するために、エクスポート時にも再度タグ付けしましょう。

sRGBレンダークリップもUse LUTボタンをアクティブにしてTag Onlyを選択。

EditボタンからTagged Colour Space > sRGB Displayを選択。

Clip Information > Input Colour SpaceからRec.709 videoであることが確認できます。

Metadeta > Video Colour Encoding(NCLCタグ) > 1-1-1

Clip Information > Input Colour SpaceからsRGB Displayであることが確認できます。

Metadeta > Video Colour Encoding(NCLCタグ) > 1-13-1

(13) IEC 61966-2-1

Webサイトや一般的なデバイスで利用される標準色空間「sRGB」の規格名

QuickTImeムービーをインポートして確認。

FlameアウトプットがRec.709 videoの場合、Rec.709 videoがタグ付けされているクリップが線形。

FlameアウトプットがsRGB DIsplayの場合、sRGB Displayがタグ付けされているクリップが線形。

Legacyカラーポリシーのビューイングルールにある「Linear (2.4 gamma)」と「Linear (sRGB gamma)」の名前が2.4 / 2.2のようにシンプルに統一されていないことを不思議に思っていました。

似ているようで全く違うガンマカーブだからこそ、それぞれに正確な名前がつけられていたんですね。