Flameファミリー2026では、Autodesk Color Management(SynColor)に代わるOCIOがサポートがされました。
View Transform (トーンマッピング)


Flameファミリー製品でサポートされているOCIOのバージョンは、2025年3月にリリースされた2.4.2です。このバージョンには、ACES 2.0出力変換のリリースを含む新しい機能が含まれています。


Preferences > Project > Colour Managementタブが左になりました。

以前のリリースと表記が変わっています。
放送用HDビデオの色空間です。「Rec.1886」は、モニターで使用されることが想定されているEOTF伝達関数を指し、ITU-R BT.1886で定義されています。基本的にガンマ2.4です。



REDのクリップにはLog3G10 REDWideGamutRGBがタグ付されています。ビューポートは、ACES 2.0 – SDR 100 nits (Rec.709)です。


Bypassすると変化するので、ビューポートとサムネールがトーンマッピングから表示変換しています。


ARRI LogC4クリップもACES SDRへトーンマッピングして表示。



Sony SLog3クリップもACES SDRへトーンマッピングして表示。


ACEScgクリップもACES SDRへトーンマッピングして表示。



ビデオクリップ(Rec.709)は、Video (colorimetric)。


Bypassしても変化しないので、ビデオクリップはトーンマッピングによる表示変換はしていません。
ディスプレイ参照色空間のカラーメトリック(比色分析)を正確に表示します。ビデオカラースペースでのみ使用できます。


Display(アウトプット)がRec.1886 Rec.709 – Displayの場合、ACEScgやARRI LogC4などのシーン参照色空間にあるクリップは、ViewエディタのAllowed Colour SpaceがAny Scene-linear or Logなので、ACES 2.0 – SDR 100nits (Rec.709)に表示変換されます。


Display(アウトプット)がRec.1886 Rec.709 – Displayの場合、Rec.709やsRGBなどのディスプレイ参照色空間にあるクリップは、ViewエディタのAllowed Colour SpaceがAny Videoなので、Video (colorimetric)から表示されます。
Display (アウトプット)とView Transform



Display(アウトプット)をRec.2100-HLG – Displayに切り替えます。


ビューポートがACES 2.0 – HDR 1000nits (P3 D65)に切り替わりました。


ViewエディタのACES 2.0 – HDR 1000nits (P3 D65)の下にACES 2.0 – HDR 1000nits (Rec.2020)がありますが、Allowed DisplayはRec.2100-PQ – Displayが選択されています。


Rec.2020に切り替える必要があれば、Allowed DisplayからRec.2100-HLG – Displayを選択してください。



ビューポートから、ACES 2.0 – HDR 1000nits (Rec.2020)を選択することができます。


右下のReset Viewsボタンから変更したViewエディタをリセットすることができます。
config.ocioファイルのインポート


プロジェクト管理ウィンドウのManageボタンからManage Projectに移動します。



From Fileからダウンロードしたreference-config-v3.0.0_aces-v2.0_ocio-v2.4.ocioを選択。


右下のModifyボタンから変更します。

Reset Colour Policyのウィンドウが表示するので必ずYesボタンを選択してください。



ベースは同じコンフィグファイルなので大きく違いはありません。

一部並びが違う箇所があります。


ビデオクリップが、Video (colorimetric)ではなく、ACES SDRに表示変換しています。


表示変換の影響から全体に暗くなっています。



ビューポートからRawが選択できるので切り替えてみます。


Video (colorimetric)と同じレベルになりました。

Viewエディタのリストを確認すると、Video (colorimetric)がない…。
Viewingルールを追加


Create View(以前のリリースではCreate Rule)ボタンからルールを追加。









Viewエディタから追加したルール(Video)をビューポートから選択。

config.ocioの書き出し


Viewエディタ左下にOCIO Config Exportがあるので、ネームフィールドに書き出す名前を設定します。設定後、Exportボタンをクリックすると、Createdが下に表示します。

Viewエディタから追加したルールを削除します。


Manage Projectに移動。


OCIO ConfigからFrom Fileに切り替えてBrowseボタンを選択。新規にエクスポートすると、
/opt/Autodesk/shared/colour_mgmtにconfigsディレクトリが追加されます。
Figo:colour_mgmt admin$ pwd
/opt/Autodesk/shared/colour_mgmt/


configsに移動すると、エクスポート時に設定した名前のディレクトリが追加され、その中にあるconfig.ocioファイルを選択します。

ファイルパスが登録されました。



Modifyボタンから変更を終了します。


プロジェクトを開くと追加したビューイングルールを確認することができます。
Working Colour Space


Manage Project > OCIO ConfigからFlameデフォルトのACES 2.0を再度選択してプロジェクトを開きます。


Batch Node BinからColour SourceノードをBatch Schematicに追加します。


ホワイトレベルが100%ではありません。

Tagged Colour SpaceからACEScgがタグ付されています。



Tagged Colour SpaceをRec.1886 Rec.709 – Displayに切り替えます。ビューポートはVideo (colorimetric)になります。

ホワイトレベルが100%になりました。



Preferences > Project > Colour Managementの左上にあるWorking Colour SpaceはACEScgが選択されているので、Rec.1886 Rec.709 – Displayに変更します。


Colour Sourceノードを削除して再度Batch SchematicにColour Sourceノードを追加します。

Tagged Colour SpaceがRec.1886 Rec.709 – Displayでダグ付されてBatch Schematicに追加されます。
Media Export (View Transform)



ACEScgクリップをQuickTimeムービーでエクスポートしますが、ビューポートとサムネールのみACES SDRにトーンマッピングされて表示変換しているので、エクスポート時にディスプレイ参照色空間にトーンマッピング(View Transform)する必要があります。



ExportウィンドウにあるShow Advanced Optionsから設定します。最初にColorSync Compatibleは解除してください。次に、Use LUTボタンを選択してください。


FormatからView Transformに切り替えてEditボタンを選択します。


DisplayがRec.1886 Rec.709 – DisplayなのでビューポートはVideo (colorimetric)になります。


View(以前のリリースではView Transformでした)がFrom Rulesになっています。クリックすると、ACES 2.0 – SDR 100 nits (Rec.709)がチェックされていることが確認できます。



EXITボタンからExportウィンドウに戻りエクスポートを実行します。

2026からFile Colour SpaceがClip Infoに追加されています。ビデオクリップとしてエクスポートされていることが確認できたのでFlameにインポートします。



ACEScgクリップはACES SDRでビューポートがトーンマッピングから表示変換。



ビデオクリップはトーンマッピングからの表示変換は行わずビューポートに表示。


どちらも見た目は同じです。
シーケンスタイトルワーク

城さん
OCIOワークフローの場合、ACEScgやARRI LogC4などのシーン参照色空間にあるクリップがトーンマッピングされますが、シーケンスに配置してタイトル素材を追加した場合はどうなるのでしょうか?


シーン参照色空間のクリップからシーケンスを追加しました。



タイトル素材はPNGファイルになります。From File or Rulesから確認すると、File Colour SpaceはUnknownですが、Rec.1884 Rec.709 – Displayがタグ付されています。



ビデオトラックを追加してタイトル素材をインサートすると…。

ビューポートがVideo (colorimetric)になり、シーン参照色空間のクリップがトーンマッピングから表示変換されません。


タイトル素材のビデオトラックを削除してGapセグメントを選択。


GapセグメントにColour Managementノードを追加します。


Colour TransformからView Transformに切り替えてください。


DisplayはRec.1886 Rec.709 – Displayなので、ビューポートはVideo (colorimetric)になります。

Viewを確認すると、From Rulesが選択されていますが、ビューポートと同じACES SDRからVideo (colorimetric)にトランスフォームされていることになります。


ビデオトラックを追加してタイトル素材をインサートすることで、ディスプレイ参照色空間でのフローになります。




ビデオトラック2に追加したビュートランスフォームの影響からビデオクリップ(ディスプレイ参照色空間)のレベルが変化しています。


ビデオクリップにビュートランスフォームは必要ないのでGapセグメントを修正します。