「Rec.709」と聞くと、「色域」や「ガンマ2.4」を思い浮かべる方が多いと思います。

もちろん間違いではありません。

しかし、Rec.709は単なる色域やガンマの規格ではありません。

まずは、構成する3つの要素を確認してみましょう。

Rec.709には3つの要素がある

色域 (Color Gamut) : Rec.709で表現できる色の範囲を定義します。

ガンマ (Gamma) : 黒や白ではなく、中間調の明るさを調整し、人間が自然に感じる見た目にします。

表示レンダリング (Display Rendering) : 光の情報を、人間がディスプレイで見る自然光へ変換します。
   このときに、トーンマッピングなどの処理が行われ、最終的なRec.709の映像が作られます。

Rec.709はDisplay-referred

ここまで説明した3つの要素によって作られたRec.709の映像は、Display-referred(表示基準)と呼ばれます。

つまり、

人間が、ディスプレイで自然に見えることを目的としてレンダリングされた完成映像

ということです。

そのため、Rec.709はそのままディスプレイに表示することを前提とした色空間であり、RAWやACESのように撮影時の光そのものを表現するScene-referred(光基準)とは考え方が異なります。

Rec.709の映像が作られるまで

ここまでで、Rec.709がDisplay-referred(表示基準)の映像であることが分かりました。

では、このRec.709の映像は、どのような過程を経て作られるのでしょうか。

光 (Scene)


レンズ


カメラセンサー


RAW


トーンマッピング (Tone Mapping)


Rec.709

実際には、レンズを通った光がカメラセンサーでRAWとして記録され、その後、トーンマッピングなどの表示レンダリングを経てRec.709の映像になります。

次回は、この流れを一つずつ追いながら、「なぜトーンマッピングが必要なのか」、そして「なぜRec.709がDisplay-referredになるのか」を詳しく説明します。