Flame 2026からPBM(Project Based Media)へ移行したことで、プロジェクト構造が大きく変わりました。
What’s NewではData Managementのアップデートとして紹介されていますが、
2027で追加されたflame_backupコマンドが、従来のアプリケーションからのアーカイブとどう違うのか確認してみます。

flame_backupコマンドの基本機能

  • flame_backup –clone
  • flame_backup –archive
  • flame_backup –extract

主な機能はこの3つです

–clone

プロジェクトを別の場所へコピーします。

PBM(Project Based Media)プロジェクトを丸ごとコピーする機能です。

–archive

プロジェクトをアーカイブ(.tar)します。

作成されたtarファイルには以下が含まれていました。

単なるフォルダの圧縮ではなく、プロジェクトデータベース情報も含まれています。

PBM(Project Based Media)環境では、mediaディレクトリを別ストレージへ配置することも可能です。
今回の検証では、Project Home配下にmediaを配置した構成で確認しています。

–extract

アーカイブからプロジェクトを復元します。

検証して分かったのは、単なるtar展開ではありません。

復元時には、

  • PostgreSQLへプロジェクト情報を登録
  • UUIDを維持
  • Project Homeを再設定

という処理が行われます。

UUID管理によりProject Homeが切り替わる

例えば、検証用に作成した「Archive_Settings」プロジェクトのUUIDは、78ca4716-d13c-4ab6-8af1-6c2d1945baf5です。

Project Managementからファイルパスを確認

/opt/Autodesk/io/bin/flame_backup –archiveコマンドからアーカイブを実行

[admin@Rocky Archive_Settings]$ /opt/Autodesk/io/bin/flame_backup --archive /mnt/StorageMedia/Rocky_Project/Project/Archive_Settings ../ ----------> Archive_Settingsと同じ階層に.tarファイルを作成

/opt/Autodesk/io/bin/flame_backup –extract コマンドから別の場所へ復元します。

[admin@Rocky Project]$ /opt/Autodesk/io/bin/flame_backup --extract /mnt/StorageMedia/Rocky_Project/ProjectArchive_Settings.tar  /opt/Project/ ----------> .tarファイルを展開

すると、

復元したファイルパスに置き換わりました。

プロジェクトブラウザ上でも同じUUIDのプロジェクトとして認識されます。

Flameアプリケーションからのリストアアーカイブの場合

Flameアプリケーションからアーカイブ実行後、2026以降のリストアアーカイブでは、同じプロジェクト名のプロジェクトが既に存在する場合、既存のファイルパスが赤く表示され、復元先を変更する必要があります。

Restore Project

復元先を変更

Restoreボタンを実行すると、メッセージが表示します。
「同じ名前のプロジェクトが既に存在します。復元するプロジェクトを別名のプロジェクトとして作成しますか?」

Duplicateボタンから、同じ名前のプロジェクトが追加され、別のUUIDが付加されます。

2026以前のRestore Projectの場合、
プロジェクト名を変更する必要がありました。

Project Homeを元のパスへ戻す

元のパスへ再度、/opt/Autodesk/io/bin/flame_backup –extractを実行

[admin@Rocky Project]$ /opt/Autodesk/io/bin/flame_backup --extract --force /mnt/StorageMedia/Rocky_Project/Project/Archive_Settings.tar /mnt/StorageMedia/Rocky_Project/Project
–forceオプション

復元先に同名のファイルやディレクトリが存在する場合、確認メッセージを表示せずに上書きする。

同じUUIDのプロジェクト登録が更新され、Project Homeが元の場所へ戻ります。

Flameアプリケーションからのアーカイブとの違い

Flameアプリケーションから実行する従来のアーカイブは、クリップやライブラリ、ワークスペースなどの作業データを保存するための機能です。
ソースメディアを含める、リンクとして扱う、Renderクリップを含めるなど、アーカイブ対象を細かく指定できます。

一方、flame_backupコマンドは、PBM(Project Based Media)プロジェクトをバックアップするためのツールです。catalog、media、setupsに加えて、project.sqlやUUID情報も保存し、復元時にはデータベース登録も行います。

従来のアーカイブ運用を置き換える機能というより、災害復旧(Disaster Recovery)やプロジェクト移設(Migration)、
日常的なバックアップを目的としたツールと考えると分かりやすいでしょう。

–no-mediaを検証

ヘルプには以下の説明があります。

今回の検証では、

の両方を確認しました。

結果は、

このように容量の差がありませんでした。

また、アーカイブ内容にもmediaフォルダが含まれていました。

[admin@Rocky Exclude]$ tar -tf Archive_Settings.tar | grep 'Archive_Settings/media/' | sed 's/.*\.//' | sort -u
Archive_Settings/media/
Archive_Settings/media/0/
dpx
exr
mio
wav
[admin@Rocky Exclude]$ 

現時点の検証では、–no-mediaは機能していないように思えます。

この件については、オートデスク社に報告しています。

まとめ

PBM(Project Based Media)環境では、プロジェクト全体を以前より簡単にバックアップできるようになりました。

今回の検証では、flame_backupコマンドは単なるtar展開ではなく、UUIDやプロジェクトデータベース情報も含めて管理されていることも確認しています。

今後は、日常的なバックアップやプロジェクト移設時の選択肢として活用できそうです。